医療機関では、問診票や同意書、ワクチン予診票など多くの紙が使用されていますが、実際にどれほどの紙が使用されているのでしょうか。1日に50人の患者さんが来院した場合、問診票だけでも1か月で1000枚以上の紙を使用することになります。これほど多く使用している紙を減らし、ペーパーレス化を進めることは病院にとって多くの利点があり、問診票の電子化はペーパーレス化の一環として着手しやすいものです。患者様がスマートフォンで入力できるWEB問診のシステムを導入することで、まずは問診票からペーパーレス化を進めることができます。

ペーパーレス化のメリット

問診票のペーパーレス化には、以下のようなメリットがあります。

紙の保管場所が不要になる

患者さんが記入した問診票は、医療機関で一定期間保管されます。しかし、問診票のペーパーレス化を進めることで、この保管場所は不要となります。さらに、このスペースを、問診票の保管場所以外の用途に有効利用することができます。

スキャンやシュレッダーの手間が省ける

患者さんが記入した問診票は、通常、スキャンして電子化して残したり、不要になった際にシュレッダーにかけたりします。しかし、WEB問診を行う場合、問診内容が元々電子データであるため、スキャンやシュレッダーが必要なくなります。看護師がこれらの作業を行う時間を短縮し、他のより重要な業務に時間を使うことができるようになります。

接触リスクの軽減

ペーパーレス化により、患者は自分のスマートフォンで問診内容を入力し、医療機関は医療機関にあるパソコンでその内容を確認することができます。そのため、接触リスクを軽減でき、特に発熱外来などでは感染症対策にもつながります。

必要な情報を詳しく得られる

紙の問診票では、限られた枠内に伝えたいことを収めなければいけません。WEB問診では、医療機関側は無制限に質問し、患者側は無制限に伝えたいことを記入できます。これにより、医療機関が必要とするより詳細な情報を問診票のみから得られます。紙の問診票で不明確な部分を聞き直す必要がなくなるため、診察時間の短縮にもつながります。

問診票の処分作業がなくなる

シュレッダーをかけた問診票は通常のごみと同様に捨てることができますが、その量が多く、ごみ処分作業は大変です。WEB問診を利用することでこれらの処分作業をなくすことができます。

まとめ

WEB問診を導入した医療機関では実際に1か月で1000枚以上の紙を削減した例もあります。今後は問診票だけでなく同意書やワクチンの予診票など、可能な部分からペーパーレスを進めていきましょう。もちろん、紙の状態で残すものもありますが、減らせるものから減らし、ペーパーレス化を実現させましょう!